新井 高子 著
『唐十郎のせりふ―二〇〇〇年代戯曲をひらく』
著者:新井 高子
(幻戯書房 令和3年12月刊)
第32回吉田秀和賞 受賞作品
詩人が「文学探偵」として唐戯曲の迷宮のありようを鋭く解き明かす、画期的批評。
巖谷國士氏、推薦
「唐十郎の紅テントの狂おしさと切なさ、猥雑さと崇高さ。60年代のロマン的な昂揚から、バブル後の棄てられたオブジェ人間たちの抵抗まで。民衆のあらゆる声を聴きとる「巨大な耳」をもった奇才の戯曲を、若い観客の身体感覚で読み解いてゆく。この危機の時代にこそ読まれるべき本だろう。」
唐十郎の唐組時代の2000年代の戯曲を取り上げる。
<主要目次>
Ⅰ.幻獣篇
鉄砲水よ、分裂のかなたで吹け! 『透明人間』2006年改訂版
ひょうたん池の海底は、永遠 『風のほこり』2005年
詩は溢れる、極小の海に 『泥人魚』2003年
Ⅱ.宝箱篇
唐版・卒塔婆小町 『虹屋敷』2002年改訂版
人形が人間になるとき 『夜壺』2000年
使え、いのちがけで 『闇の左手』2001年
へその糸を切っちまえ 『糸女郎』2002年
Ⅲ.疾風篇
二つの風、一センチの宇宙 『鉛の兵隊』2005年
メールストロームの彼方で笑え! 『津波』2004年
渾身の夕暮れ 『夕坂童子』2008年
縫え、記憶という絵を 『紙芝居の絵の町で』2006年
不死身のかたまり 『ジャガーの眼2008』2008年改訂版
Ⅳ.謎海篇
漆黒の女坑夫は、何処へ 『黒手帳に頬紅を』2009年
「八重」という女 『西陽荘』2011年
水の大工か、唐十郎は 『海星』2012年
Ⅴ.巨耳篇
唐十郎のせりふ
判型:四六判、上製本、323ページ
定価:本体2,800円+税(税込3,080円)
ISBN:978-4-86488-239-2
発行:幻戯書房 2021年12月刊
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