第29回吉田秀和賞 書籍
「エドガー・ヴァレーズ 孤独な射手の肖像」
沼野 雄司 著
※著者サイン入り!
前衛の砂漠を往くー
ジョン・ケージからフランク・ザッパまで、戦後の音楽に多大な影響を及ぼした前衛音楽の旗手エドガー・ヴァレーズの本格的評伝。
磯崎新氏、片山杜秀氏による審査員選評はこちら
目次
序章|パリ・シャンゼリゼ劇場 1913/1954
第1章|ヴィラ―ル/トリノ/パリ
原風景としてのヴィラ―ル
イタリアの憂鬱
パリへの帰還
ガンバラの夢
『暗く深き眠り』と謎の初期作品
音楽院から民衆大学へ
ベルリンへ
第2章|若きエディプスの救済
予言の書
「現代音楽演奏会」というアイディア
ヴァレーズ=ジャン・クリストフ?
『エディプスとスフィンクス』
他の「委員会」メンバーと『ブルゴーニュ』初演
ベルリン撤退、そして大きな「嘘」
第3章|複数形のアメリカ
サティからの手紙
アメリカの第1次大戦参戦と『レクイエム』
突然の移住と年齢詐称の理由
虚偽、あるいは誇張された経歴
在来ドイツ人音楽家の悲劇と、その余波
ニュー・シンフォニー・オーケストラ
なぜバッハ『カンタータ第31番』だったのか
複数形のアメリカ
第4章|ICGの興亡 1920年代の闘争
「国際作曲家組合」の設立
女神としてのルイス・ノートン
シェーンベルクの不安と「ピエロ」初演の余波
『ハイパープリズム』の衝撃
「ギルド」とアメリカの左翼思想
世界展開とICGの躍進
エキゾチシズムと空間性
ストコフスキーとフィラデルフィア管
神話の終焉
第5章|前言語への志向 1930年代のヴァレーズ 1
イタリア未来はとの関係
音の錬金術『アルカナ』
『ひとりぼっち/天文学者』構想
奇才アルトナン・アルトーとの協働
『エクアトリアル』と前言語への志向
第6章|「パン・アメリカン」という幻影 1930年代のヴァレーズ 2
「ニュースクール」というトポス
メキシコ革命と「インディへニスモ」
音楽におけるインディへニスモーカルロス・チャベス
ソ連訪問計画、そしてエイゼンシュテインのメキシコ
「パン・アメリカン作曲家協会」の結成
「ヨーロッパ・ツアー」
PARCの終焉
剽窃か影響かーロルダンの『リトミカ 第5番』という先駆
『イオニザシオン』の音響世界サイレンの仕様
モダニストとしての交換ー『新しい音楽に向かって』
第7章|未完の代表作『空間』 1930年代のヴァレーズ 3
『空間』の胚胎と「ヴァレーズ音楽実験室」
ニューメキシコという新天地
「赤の交響曲が炸裂しようとしている」
膨れ上がる計画とヘンリー・ミラーの参画
ヴァレーズ自身によるテクスト構成
アメリカにおける社会主義思想の隆盛と挫折
『空間のためのエチュード』
ユートピアの残骸?
奇妙な果実としての『比重21.5』
第8章|電子の詩
ハリウッドのヴァレーズ
映像と音楽のコラボレーション
グレイター・ニューヨーク・コーラス
『空間のためのエチュード』初演
EMS401、そしてダルムシュタット夏季新音楽講習会
マルチメディア作品としての『砂漠』
コンクレートという手法
初演とその余波
ル・コルビュジェとフィリップス館
フィリップス社との攻防
『ポエム・エレクトロニク』と空間性
ジャズへの/ジャズからの影響
第9章|夜のなかへ
拡がるヴァレーズ受容
チョウ・ウェンチェンという存在
吉田秀和との出会い
外山道子と雅楽
日本招聘プランー草月ホールの企画
「夜」をめぐって
アナイス・ニンと『ノクターナル』
『ノクターナル』初演とその後
『空間』という巨大な中心領域
「怖いのだ・・・」
死後の反響
楽曲メモ
①『暗く深き眠り』②『アメリカ』③『捧げもの』④『ハイパープリズム』⑤『オクタンドル』⑥『アンテグラル』⑦『アルカナ』⑧『エクアトリアル』⑨『イオニザシオン』⑩『比重21.5』⑪『砂漠』⑫『ポエム・エレクトロニク』⑬『ノクターナル』
註
あとがき
主要参考文献
ヴァレーズ作品表
ヴァレーズ略年譜
人名索引
判型:四六版/ 560ページ
ISBN: 978-4-393-93214-8
刊行日: 2018/12/28
発行:春秋社
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